センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,還元の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 還元 |
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年度 | 2014年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第2問-問4 |
配点 | 4 |
計算問題 | × |
難易度 | 易しい |
正解
③ 4HNO3 → 4NO2 + 2H2O + O2
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解説
化学反応において,原子の酸化数が減少していれば,その原子(を含む物質)が還元されたことになります。感覚に頼らず,必ず酸化数を確認しましょう。
酸化数は,酸化還元反応の基本です。確実に求められるように練習しておきましょう。基本的には,次のようにまとめることができます。
- 単体の酸化数は0
- 化合物中の水素原子の酸化数は+1,酸素原子の酸化数は-2
- 化合物中の酸化数の総和は0
- イオン中の酸化数の総和は,イオンの電荷
例外として,過酸化水素H2O2中の酸素原子の酸化数は-1,金属の水素化物中の水素原子の酸化数は-1です。
① SiO2中のSi原子の酸化数は,次のように求めることができます。
x×1 + (-2)×2 = 0 ⇒ x = +4
また,Na2SiO3は金属元素と非金属元素の化合物なので,イオン結晶です。Na+とSiO32-からできている物質なので,SiO32-で考えます。
x×1 + (-2)×3 = -2 ⇒ x = +4
反応前後でSi原子の酸化数が変化していないので,酸化も還元もされていません。
② Al(OH)3は金属元素と非金属元素の化合物なので,イオン結晶です。Al3+とOH-からできている物質なので,Al3+で考えます。その酸化数は,+3です。
また,Na[Al(OH)4]も金属元素と非金属元素の化合物なので,イオン結晶です。Na+とAl3+とOH-からできている物質なので,Al3+で考えます。その酸化数は,+3です。
反応前後でAl原子の酸化数が変化していないので,酸化も還元もされていません。
③ HNO3中のN原子の酸化数は,次のように求めることができます。
+1×1 + x×1 + (-2)×3 = 0 ⇒ x = +5
また,NO2中のN原子の酸化数は,次のように求めることができます。
x×1 + (-2)×2 = 0 ⇒ x = +4
反応後にN原子の酸化数が減少しているので,還元されています。
④ K2Cr2O7は金属元素と非金属元素の化合物なので,イオン結晶です。K+とCr2O72-からできている物質なので,Cr2O72-で考えます。酸化数は,原子1個当たりの値だということに注意が必要です。
x×2 + (-2)×7 = -2 ⇒ x = +6
また,K2CrO4も金属元素と非金属元素の化合物なので,イオン結晶です。K+とCrO42-からできている物質なので,CrO42-で考えます。
x×1 + (-2)×4 = -2 ⇒ x = +6
反応前後でCr原子の酸化数が変化していないので,酸化も還元もされていません。
⑤ KIは金属元素と非金属元素の化合物なので,イオン結晶です。K+とI-からできている物質なので,I-で考えます。その酸化数は,-1です。
また,I2は単体なので,その酸化数は0です。
反応前後でI原子の酸化数が増加しているので,酸化されています。
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