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硫黄Sについて

 硫黄は、天然に単体として産出されます。しばしば温泉地の硫黄のニオイと言われますが、硫黄の単体は固体であり無臭です。硫黄のニオイと言われるのは、一般的に硫化水素の腐卵臭です。

 食物中にも硫黄は含まれており、ネギや玉ねぎに含まれる硫化アリル、ニンニクの臭いの成分である二硫化アリル、ワサビや大根の刺激成分であるイソチオシアン酸アリルなどが知られています。

 私たちの体内にもタンパク質を構成するアミノ酸の成分として含まれています(メチオニン、システインなど)。特に、毛髪中のケラチンとよばれるタンパク質中ではジスルフィド結合をつくり、強度を高めています。パーマをあてるときには、このジスルフィド結合を一度切断し、少しズラした状態で再び結合させることで髪を曲げた状態で保ちます。

 身のまわりでの利用法としては、都市ガス中に添加されています。都市ガスの主成分はメタンで、本来は無臭です。しかし、ガス漏れがあったときにすぐ気付けるように、メルカプタンという硫黄を含む悪臭化合物を添加しているのです。また、感染症の治療薬として硫黄を含む医薬品が利用されています。

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硫黄S(元素)のデータ

元素名(日本語)硫黄元素名(英語)sulfur
原子番号16元素記号S
周期表の位置第3周期-16族分類非金属元素
原子量32.065クラーク数0.06%
電子配置[Ne] 3s2 3p4電子殻K2 L8 M6
ファンデルワールス半径0.180nm原子半径0.100nm
共有結合半径0.105nm主な酸化数-2,-1,0,+1,+2,
+3,+4,+5,+6
第一イオン化エネルギー999.6kJ/mol電子親和力2.0772eV
電気陰性度(ポーリング)2.58発見年有史以前
発見者不明
元素名・元素記号の由来sulpur(ラテン語で「硫黄」)

硫黄の単体S8(斜方硫黄)のデータ

常温・常圧における状態固体黄色
融点115.21℃沸点444.6℃
融解熱1.727kJ/mol蒸発熱45kJ/mol
結晶構造斜方晶密度2.07g/cm3
蒸気圧2.65×10-20Pa(388K)熱容量22.75J/(mol・K)

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第1周期HHe
第2周期LiBeBCNOFNe
第3周期NaMgAlSiPSClAr
第4周期KCaScTiVCrMnFeCoNiCuZnGaGeAsSeBrKr
第5周期RbSrYZrNbMoTcRuRhPdAgCdInSnSbTeIXe
第6周期CsBaランHfTaWReOsIrPtAuHgTlPbBiPoAtRn
第7周期FrRaアクRfDbSgBhHsMtDsRgCnUutFlUupLvUusUuo
ランタノイドLaCePrNdPmSmEuGdTbDyHoErTmYbLu
アクチノイドAcThPaUNpPuAmCmBkCfEsFmMdNoLr
金属元素の背景色
アルカリ金属,アルカリ土類金属
その他の典型金属元素,遷移金属元素
非金属元素の背景色
ハロゲン,希ガス
その他の非金属元素
□不明
リンPページトップ塩素Cl