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クリプトンKrについて

 クリプトンは18族元素(希ガス)であり、安定な電子配置をとっています。そのため、単原子分子として存在し、ほかの物質とほとんど反応しません。しかし、1963年にフッ素との反応が発見され、完全に不活性であるというわけではないことが見出されました。

 クリプトンは、液体空気から分留によって得られますが、存在量が非常に少ないので、分留を繰り返してようやく得ることができます。クリプトンは同じく希ガスであるアルゴンよりも熱損失が少なく放射効率がいいため、放電管用の封入ガスやクリプトンランプ(ネオンサインの一種)に用いられています。

 希ガスであるヘリウムを吸入すると高い声になることが知られていますが、クリプトンを吸い込むと低い声になります。

 天然のクリプトンは非放射性の84Krや86Krなどが主成分ですが、ウランプルトニウムの核分裂によって放射性の85Krが生成し、大気中に蓄積されていきます。

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クリプトンKr(元素)のデータ

元素名(日本語)クリプトン元素名(英語)krypton
原子番号36元素記号Kr
周期表の位置第4周期-18族分類典型非金属元素,希ガス
原子量83.798クラーク数2×10-8%
電子配置[Ar] 3d10 4s2 4p6電子殻K2 L8 M18 N8
ファンデルワールス半径0.202nm原子半径不明
共有結合半径0.116nm主な酸化数0,+2
第一イオン化エネルギー1350.8kJ/mol電子親和力不明
電気陰性度(ポーリング)3.00発見年1898年
発見者ウィリアム・ラムゼー(スコットランド)
モーリス・トラバース(イギリス)
元素名・元素記号の由来kryptos(ギリシャ語で「隠れる」)

クリプトンの単体Krのデータ

常温・常圧における状態気体無色
融点-157.36℃沸点-153.22℃
融解熱1.64kJ/mol蒸発熱9.08kJ/mol
結晶構造面心立方構造密度3.749g/L
蒸気圧1000Pa(120K)熱容量20.786J/(mol・K)

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第1周期HHe
第2周期LiBeBCNOFNe
第3周期NaMgAlSiPSClAr
第4周期KCaScTiVCrMnFeCoNiCuZnGaGeAsSeBrKr
第5周期RbSrYZrNbMoTcRuRhPdAgCdInSnSbTeIXe
第6周期CsBaランHfTaWReOsIrPtAuHgTlPbBiPoAtRn
第7周期FrRaアクRfDbSgBhHsMtDsRgCnUutFlUupLvUusUuo
ランタノイドLaCePrNdPmSmEuGdTbDyHoErTmYbLu
アクチノイドAcThPaUNpPuAmCmBkCfEsFmMdNoLr
金属元素の背景色
アルカリ金属,アルカリ土類金属
その他の典型金属元素,遷移金属元素
非金属元素の背景色
ハロゲン,希ガス
その他の非金属元素
□不明
臭素BrページトップルビジウムRb