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ホウ素Bについて

 ホウ素の単体は黒灰色の固体で、半金属(金属と非金属の間の性質をもつ物質)です。ホウ素は岩石中に0.001%ほど含まれており、代表的な鉱物はホウ砂やホウ酸石、電気石です。

 炭素との化合物である炭化ホウ素は、現在知られている中で、ダイヤモンドの次に硬い物質です。そのため、金具の表面処理や原子炉での中性子制御棒などに利用されています。

 身近なところでは、ゴキブリ退治のホウ酸団子に用いられています。これは、ホウ酸によって体内の酵素の働きが止まり、脱水状態にさせるためです。ゴキブリが脱水状態になるまで4、5日かかるので即効性はありませんが、確実に退治することができます。

 ホウ素は熱に強い性質もあるため、実験用の耐熱性ガラスにも12~15%の酸化ホウ素が含まれています。また、スペースシャトルの表面にも耐熱タイルとして用いられています。

 2010年のノーベル化学賞を受賞した鈴木章さんは、ホウ素を含むボロン酸エステルという化合物を開発して、異なる有機化合物どうしを結合させること(カップリング)に成功しました。この化学反応は医薬品などの製造過程で利用されています。

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ホウ素B(元素)のデータ

元素名(日本語)ホウ素元素名(英語)boron
原子番号5元素記号B
周期表の位置第2周期-13族分類典型非金属元素
原子量10.811クラーク数0.001%
電子配置[He] 2s2 2p1電子殻K2 L3
ファンデルワールス半径0.192nm原子半径0.090nm
共有結合半径0.084nm主な酸化数0,+1,+2,+3,+4
第一イオン化エネルギー800.6kJ/mol電子親和力0.28eV
電気陰性度(ポーリング)2.04発見年1808年
発見者ジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサック(フランス)
ルイ・ジャック・テナール(フランス)
ハンフリー・デービー(イギリス)
元素名・元素記号の由来buraq(アラビア語で「ホウ砂」)

ホウ素の単体Bのデータ

常温・常圧における状態固体黒色
融点2076℃沸点3927℃
融解熱50.2kJ/mol蒸発熱480kJ/mol
結晶構造正方晶系密度2.08g/cm3
蒸気圧3.48×10-21Pa(2573K)熱容量11.087J/(mol・K)

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第1周期HHe
第2周期LiBeBCNOFNe
第3周期NaMgAlSiPSClAr
第4周期KCaScTiVCrMnFeCoNiCuZnGaGeAsSeBrKr
第5周期RbSrYZrNbMoTcRuRhPdAgCdInSnSbTeIXe
第6周期CsBaランHfTaWReOsIrPtAuHgTlPbBiPoAtRn
第7周期FrRaアクRfDbSgBhHsMtDsRgCnUutFlUupLvUusUuo
ランタノイドLaCePrNdPmSmEuGdTbDyHoErTmYbLu
アクチノイドAcThPaUNpPuAmCmBkCfEsFmMdNoLr
金属元素の背景色
アルカリ金属,アルカリ土類金属
その他の典型金属元素,遷移金属元素
非金属元素の背景色
ハロゲン,希ガス
その他の非金属元素
□不明
ベリリウムBeページトップ炭素C