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化学反応式
原子の組合せが変わり,異なる化学式になる変化を化学変化または化学反応といいます。また,化学式の変化や化学変化に関わる物質の数の関係を表す式を,化学反応式といいます。
化学反応の材料となる物質を反応物といい,化学反応式の左辺に書きます。一方,化学反応後にできた物質を生成物といい,化学反応式の右辺に書きます。
化学反応式は,次のようにしてつくることができます。(エタノールの完全燃焼の例)
- 反応物の化学式を左辺,生成物の化学式を右辺に書き,両辺を右向きの矢印(→)でつなぐ。
C2H5OH + O2 → CO2 + H2O
- 両辺で元素ごとに原子の数が等しくなるように係数をつける。このとき,係数は最も簡単な整数比となるようにする。また,1は省略する。
C2H5OH + 3O2 → 2CO2 + 3H2O
元素ごとの原子の数を確認すると,Cは両辺とも2つ,Hは両辺とも6つ,Oは両辺とも7つです。
このとき,書かれている回数の少ない元素から合わせていく方が考えやすいです。つまり,CとHから考えてCO2とH2Oの係数を決定します。その後に,酸素原子の数を考えてO2の係数を決定します。このとき,エタノールに含まれているOを忘れないように気を付けましょう。また,酸素O2の係数が分数になってしまう場合,例えばとなる場合は全体に2を掛けて最も簡単な整数比となるようにします。
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イオン反応式
イオン式を含む化学反応式を,イオン反応式といいます。イオン反応式においては,原子の種類と数だけではなく,電荷(電気の数)を合わせる必要があります。また,化学反応式から考える場合は,反応前後で変化しないイオンがあることが多く,これらを消去する必要があります。
例えば,塩化銅(Ⅱ)水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えると,水酸化銅(Ⅱ)の青白色沈殿を生じます。これを化学反応式で表すと,次のようになります。
CuCl2 + 2NaOH → Cu(OH)2 + 2NaCl
このうち,CuCl2,NaOH,NaClは水溶液中で電離しているので,イオンとしてイオン式表すことができます。
Cu2+ + 2Cl- + 2Na+ + 2OH- → Cu(OH)2 + 2Na+ + 2Cl-
このうち,Na+とCl-は両辺で同数ずつあるので,消去します。
Cu2+ + 2OH- → Cu(OH)2
念のために確認しておくと,原子の種類と数は合っています(両辺ともCuが2つ,Oが2つ,Hが2つ)。また,係数は最も簡単な整数比になっています。さらに,電荷も左辺は「+2×1 -1×2 = 0」で,右辺も0です。
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