センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,電気分解の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 電気分解 |
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年度 | 2006年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第2問-問4 |
配点 | a‐3,b-4 |
計算問題 | ○ |
難易度 | 普通 |
正解
a ②
b ⑤
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解説
a まず,電極A,Bでの変化を確認しなければいけません。電極A,Bは白金電極です。電解液は希硫酸H2SO4なので,{H+,HSO4-,SO42-,H2O(溶媒)}が含まれています。
電極Aは,電源の負極とつながっているので,陰極です。陰極では電源から流れてくる電子e-を受け取る反応が起こります。電解液に含まれているものの中で最も電子e-を受け取りやすいのはH+なので,次の変化が起こります。
2H+ + 2e- → H2
電極Bは,電源の正極側につながっているので,陽極です。陽極では電源へと電子e-を送る反応が起こります。電解液に含まれているものの中で最も電子を放出しやすいのはH2Oなので,次の変化が起こります。
2H2O → O2 + 4H+ + 4e-
ここで,これらの反応式を一つにまとめます。与える電子e-の数と受け取る電子e-の数は等しいので,e-の係数を最小公倍数の4に合わせて辺々を足し合わせると,次の反応式になります。
2H2O → 2H2 + O2
係数比から,電極Aで発生する水素H2と電極Bで発生する酸素O2は,物質量比(体積比)2:1とわかります。これに当てはまる直線である②が正解です。
b 電極C,Dの変化を確認します。
電極Cは銅電極です。電解液は硫酸銅(Ⅱ)CuSO4水溶液なので,{Cu2+,SO42-,H2O(溶媒),H+(酸性)}が含まれています。
電極Cは,電源の負極側とつながっているので,陰極です。陰極では電源から流れてくる電子e-を受け取る反応が起こります。電解液に含まれているものの中で最も電子e-を受け取りやすいのはCu2+なので,次の変化が起こります。
Cu2+ + 2e- → Cu
電極Dは銀電極です。電解液は硝酸銀AgNO3水溶液なので,{Ag+,NO3-,H2O(溶媒),H+(酸性)}が含まれています。
電極Dは,電源の負極側とつながっているので,陰極です。陰極では電源から流れてくる電子e-を受け取る反応が起こります。電解液に含まれているものの中で最も電子e-を受け取りやすいのはAg+なので,次の変化が起こります。
Ag+ + e- → Ag
また,直列に接続されている回路なので,どの電極に流れる電子e-の数も等しいはずです。e-の係数を最小公倍数の2に合わせると,
Cu2+ + 2e- → Cu
2Ag+ + 2e- → 2Ag
となり,物質量比Cu:Ag = 1:2 で析出することがわかります。原子量を考慮すると,1molのCuは64g,2molのAgは216gなので,質量の増加量の比は電極C:電極D = 64 :216とわかります。これに当てはまる直線である⑤が正解です。
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