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高校化学Net参考書 ~実験指針書「化学基礎」~ について

 化学基礎の目的は,「化学への関心を高めること」,「実験などにより探求する能力を育てること」,「科学的な考え方を養うこと」です。科学的な考え方は,座学で身に付くかもしれません。しかし,化学への関心や探求力の育成は,実験を行う方が効果が高いと思われます。大きな目標としては,「指示されたとおりに動くだけではなく,生徒自らが考え,見通しをもって主体的に観察,実験などに取り組むこと」です。

 教員は生徒指導や部活動など多くの仕事を抱えています。生徒実験をするためには教員の予備実験が欠かせませんが,一から始めると大きな負担となることも事実です。そんな理科教員のために,実験の準備,手順,注意事項などを示すことができればと思っています。そして,確保できた時間や労力の余裕を,生徒のために使っていただければ幸いです。

 もちろん,教員だけでなく高校生の家庭学習としても活用してほしいと思っています。実験の内容を確認することで,理解を深めてください。

「化学と人間生活」の実験一覧

 日常生活を支える物質の利用の例を通して,化学に対する興味・関心を高めることが目的です。導入部分なので,実験における基本操作を身に付けましょう。

  • テルミット反応
    身近な物質の代表である「鉄」を,化学反応により取り出す実験です。
  • セッケンと合成洗剤
    セッケンと合成洗剤の違いを確認し,セッケンの欠点が克服されていることを確認する実験です。

「物質の構成」の実験一覧

 原子の構造および電子配置と周期律との関係が基本となる内容です。そこを理解した上で,化学結合と物質の性質との関係を確認する実験です。

  • 温度と構成粒子の熱運動
    温度によって熱運動の激しさが変わることを,体積の変化からイメージする実験です。
  • 蒸留
    沸点の違いを利用して,混合物(水溶液)から溶媒を取り出す実験です。
  • 分離法
    種々の分離法を駆使して,混合物から純物質を取り出す実験です。
  • 硫黄の同素体
    斜方硫黄から,単斜硫黄とゴム状硫黄をつくり分ける実験です。
  • 炭酸水素ナトリウムの元素の確認
    炭酸水素ナトリウムを構成している元素の確認をする実験です。
  • イオンの電気泳動
    イオンが電荷をもっている粒子だということを理解させるための実験です。
  • 塩素の発生と性質
    塩素を発生させて,その色と漂白作用を確認する実験です。

「物質の変化」の実験一覧

 化学反応の量的関係,中和,酸化還元反応など,実践的な内容になります。実験の目的を明確にしながら実験することで,効果が高まると思われます。

  • 水溶液の調製
    目的のモル濃度の水溶液を調整する実験です。
  • 中和滴定
    濃度の分かっている水溶液を用いて,試料水溶液の濃度を求める実験です。
  • 中和滴定曲線
    pHを測定しながら中和滴定を行ってグラフを書き,中和点を求める実験です。

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