化学基礎の「炭酸水素ナトリウムの元素の確認」の実験について,分かりやすく解説しているNet参考書です。
高校化学Net参考書 ~実験指針書「化学基礎」~
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「炭酸水素ナトリウムの元素の確認」の実験の目的
炭酸水素ナトリウムNaHCO3を構成している元素の確認をする実験です。この辺りから,化学式を覚えたり,化学反応式を書いたりすることを意識させたいところです。
ナトリウム(元素)は炎色反応で確認します。
水素(元素)は水H2Oを検出することで確認します。生じた液体を硫酸銅(Ⅱ)無水塩につけて青色になることで水を検出することができます。
CuSO4(白色) + 5H2O → CuSO4・5H2O(青色)
炭素(元素)は二酸化炭素CO2を検出することで確認します。生じた気体を通じて石灰水が白く濁ることで二酸化炭素を検出することができます。
Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3(白色沈殿) + H2O
酸素(元素)は,水や二酸化炭素を検出することで水素や炭素と同時に確認できます。今回はゴム栓で密閉した試験管を使っていますので,空気中の酸素は反応していないものとして考えます。一般的には,試料を燃焼して生じた水や二酸化炭素の検出では酸素(元素)が確認できたことにはなりません(試料ではなく空気中の酸素と考えます)。
準備
- 器具の準備
- 全体
- 薬さじ×2(炭酸水素ナトリウム用,硫酸銅(Ⅱ)無水塩用)
- 粉末ろうと(薬包紙などで代用可)×1(炭酸水素ナトリウム用)
- 駒込ピペット×1(石灰水用)
- 班ごと
- 100mL-ビーカー×1(炭酸水素ナトリウム水溶液用)
- ガラス棒×1
- ガスバーナー×1
- マッチ×2
- 白金線×1
- 試験管×2(熱分解用,石灰水用)
- 誘導管×1
- スタンド×1
- 乾いた蒸発皿×1
- 試薬の準備
- 炭酸水素ナトリウム
- 石灰水
- 硫酸銅(Ⅱ)無水塩
実験操作
- 100mL-ビーカーに薬さじ1杯の炭酸水素ナトリウムを取り,水溶液をつくる。
- 白金線に炭酸水素ナトリウム水溶液をつけ,ガスバーナーの外炎に入れて炎色を確認する。
- 装置を組み,炭酸水素ナトリウムの粉末を加熱する。
- 発生する気体を石灰水に通じて,変化を確認する。
(加熱後は,ガスバーナーの火を消す前に,誘導管の先を石灰水から出しておく。) - 加熱後,試験管の管口にたまった液体を,蒸発皿に入れた硫酸銅(Ⅱ)無水塩につけて変化を確認する。
注意点
- ナトリウムの炎色反応は,確認しづらいです。
- 加熱時,生じた液体が加熱部へ流れていかないように,試験管の管口を下げておきます。不要な試験管があれば,演示実験で割れるようすを見せると印象的です。これまで破片が飛び散るほどの割れ方をしたことがないので,危険は少ないと思います。
- 加熱後は,ガスバーナーの火を消す前に,誘導管の先を石灰水から出しておきます。石灰水が誘導管を逆流し始めたときは,再加熱すれば大丈夫です。
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