高校化学Net参考書実験指針書「化学基礎」 > 塩素の発生と漂白作用

「塩素の発生と漂白作用」の実験の目的

 塩素は黄緑色の気体で,漂白作用を示すという特徴があります。この実験では塩素の色と漂白作用を確認することを目的とします。

 生徒にとって有色の気体というもの自体が珍しいはずです(拡散で臭素,昇華法でヨウ素の気体を見ているかもしれませんが,常温常圧で気体ではないので,強調していないはずです)。

 漂白作用の確認は,濡らしたリトマス試験紙で行います。花びらを漂白することで確認することが多いと思われますが,私は生き物を毒ガス中に放り込むことに教育上の違和感があります。また,赤色(または青色)に変化すると思い込んでいる生徒にとって,「リトマス紙が白くなる」という結果は印象的で記憶に残りやすいとも考えられます。

準備

  • 器具の準備
    • 全体
      • 薬さじ×1(高度さらし粉用)
      • 駒込ピペット×1(塩酸用)
    • 班ごと
      • 試験管×1(塩素発生用)
      • ゴム栓×1(塩素発生用)
      • 100mL-ビーカー×1(漂白作用確認用)
  • 試薬の準備
      • 高度さらし粉
      • 濃塩酸
      • リトマス紙(青・赤)
      • 白い紙

実験操作

  1. 薬さじの柄の先にある小さじに1杯分の高度さらし粉を試験管に取る。
  2. 1.に濃塩酸3mLを駒込ピペットで入れる。このとき,塩素が漏れ出さないように,ゴム栓を逆さにして置いておく。
  3. 白い紙を背景にして,発生した塩素の色を確認する。
  4. リトマス紙(青・赤1枚ずつ)を水で濡らして,100mL-ビーカーに入れておく。
  5. 試験管に発生した塩素を,4.のビーカーに流し入れる(塩素は空気よりも重い気体なので,試験管を傾ければビーカーに注ぐことができる)。
  6. リトマス紙の色の変化を確認する。

注意点

  • 塩素は有毒な気体なので,風通しをよくして実験しましょう。特に,色を確認するときに顔を近づけすぎると危険です。
  • 塩素の色を確認するとき,横から見て色を確認しづらければ,上から見ると「厚さ」が増して確認しやすくなります。

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