センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,酸化物の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 酸化物 |
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年度 | 2007年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第3問-問2 |
配点 | 6(各3) |
計算問題 | × |
難易度 | 普通 |
正解
⑥ 16族元素の酸化物を水に溶かすと,水溶液は中性を示す。
⑦ 17族元素の酸化物には,その元素の酸化数が+Ⅷ(+8)のものがある。
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解説
まずは,それぞれの元素を整理します。少なくとも原子番号20番までの元素は,書き出せるようにしておきましょう。
1族 | 2族 | 13族 | 14族 | 15族 | 16族 | 17族 |
Na | Mg | Al | Si | P | S | Cl |
① ナトリウムの酸化物は酸化ナトリウムNa2Oで,次のように水H2Oと反応して水酸化物イオンOH-を生じ,アルカリ性になります。
Na2O + H2O → 2NaOH
② マグネシウムに点火すると,明るい光を発して燃焼して酸化マグネシウムMgOを生じます。
2Mg + O2 → 2MgO
③ アルミニウムは両性金属元素であり,酸性の水溶液にも塩基性の水溶液にも溶解します。また,両性元素の酸化物は両性酸化物です。アルミニウムの他に,亜鉛,スズ,鉛なども両性金属元素で,「あ あ すん なり(アルミニウム,亜鉛,スズSn,鉛)」と覚えます。
④ 二酸化ケイ素SiO2は,すべての原子が共有結合でつながってできている固体で,共有結晶に分類されます。二酸化ケイ素の他に,黒鉛,ダイヤモンド,単体のケイ素などが共有結晶です。
⑤ リンを空気中で燃焼すると,十酸化四リンP4O10を生じます。これは,強い吸湿性をもつ酸性の固体で,気体の乾燥剤に用いることが出来ます。
⑥ 硫黄の酸化物には二酸化硫黄SO2や三酸化硫黄SO3などがありますが,どちらも水H2Oと反応して酸を生じます。よって,中性であるというのは誤りです。
SO2 + H2O → H2SO3(亜硫酸)
SO3 + H2O → H2SO4(硫酸)
⑦ 塩素は,いろんな酸化数になる元素ですが,酸化数が最大になるのは過塩素酸HClO4で,その酸化数は+Ⅶ(+7)です。よって,+Ⅷ(+8)のものがあるというのは誤りです。
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問題 | |
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