センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,異性体の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 異性体 |
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年度 | 2007年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第4問-問2 |
配点 | 3 |
計算問題 | × |
難易度 | 易しい |
正解
① 幾何異性体(シス‐トランス異性体)をもつアルケンの中で,最も分子量の小さいものはC4H8である。
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解説
① 幾何異性体(シス‐トランス異性体)は,二重結合が回転できないためにできる異性体です。右図の構造式で,R1≠R2とR3≠R4の両方が満たされる化合物に存在します。炭化水素基のうち,炭素数が最も小さいのはメチル基-CH3なので,R1またはR2がメチル基,R3またはR4がメチル基,残りは水素原子であるC4H8が最も分子量の小さいものです。
② 単結合は自由に回転できるので,炭素原子の上下左右の位置が違っても関係ありません。ただし,4つの原子または原子団がすべて異なっている「不斉炭素原子」がある場合は光学異性体が存在します。与えられた構造式では水素原子が2つずつあるので,不斉炭素原子は存在せず,異性体ではなく同一物質です。
③ エチルメチルエーテルと2‐メチル‐1‐プロパノールは,それぞれ次のような構造をしています。また,分子式で表すと,C3H8O,C4H10Oです。構造異性体は,「分子量は同じだが構造が異なるもの」なので,これらは構造異性体ではありません。
エチルメチルエーテル | 2‐メチル‐1‐プロパノール |
④ 酢酸メチルと乳酸,それぞれ次のような構造をしています。また,分子式で表すと,C3H6O2,C3H6O3です。構造異性体は,「分子量は同じだが構造が異なるもの」なので,これらは構造異性体ではありません。
酢酸メチル | 乳酸 |
⑤ エチルベンゼンは,左下図の構造をしています。右下図のように,水素原子を臭素原子で置き換えた物質には不斉炭素原子が存在します。
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問題 | |
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