センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,沈殿の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 沈殿 |
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年度 | 2008年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第3問-問5 |
配点 | 4 |
計算問題 | × |
難易度 | 普通 |
正解
② b
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解説
a アンモニア水を加えるとき,2段階で考える必要があります。少量のときに水酸化物イオンOH-との反応で沈殿を生じるかどうか,過剰に加えたときにアンモニア分子NH3と錯イオンを形成するかどうかです。
アルカリ金属やアルカリ土類金属以外のほとんどの金属イオンはOH-と反応して沈殿を生じます。よって,Al3+とFe3+の両方がこの時点で沈殿を生じます。
NH3 + H2O NH4+ + OH-
Al3+ + 3OH- → Al(OH)3↓
Fe3+ + 3OH- → Fe(OH)3↓
アンモニア水を過剰に加えたときに錯イオンを形成するイオンは,Ag+,Cu2+,Zn2+です。Al3+とFe3+はここに当てはまりませんので,両方とも沈殿したままです。
b 硫酸イオンSO42-を加えて沈殿を生じるのは,Ba2+,Ca2+,Pb2+です(「馬鹿な劉さん」と覚えます。劉さん,ごめんなさい)。よって,希硫酸を加えることで,Cu2+を沈殿させずにBa2+だけを沈殿させることが出来ます。
Ba2+ + SO42- → BaSO4↓
c 硫化水素を通じたときに沈殿するかどうかは,イオン化列をベースに考えることが出来ます。
K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb H Cu Hg Ag Pt Au
貸そう か な。 ま ぁ, あ て に すん な, ひ ど す ぎる 借 金
(KとCaは逆に覚えてしまっても影響はほとんどありません。
NaとPb,AlとZnは間違えないように気を付けましょう。)
・K~Alは,液性に関係なく沈殿を生じません。
・Zn,Fe,Niは,中性・塩基性のときだけ沈殿を生じます(酸性のときには沈殿しません)。
・Sn~Auは,液性に関係なく沈殿を生じます。
よって,Ag+とPb2+は両方とも沈殿を生じます。
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問題 | |
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