センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,イオンの解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | イオン |
---|---|
年度 | 2009年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第1問-問3 |
配点 | 4 |
計算問題 | × |
難易度 | 普通 |
正解
② イオン結晶に含まれる陽イオンの数と陰イオンの数は,必ず等しい。
スポンサーリンク
解説
① 原子を陽イオンに変える場合,正電荷(プラスの電気)をもっている原子核に引きつけられている電子を引き離す必要があります。1個の電子を取り去って1価の陽イオンにするときに必要になるエネルギーをイオン化エネルギー(第一イオン化エネルギー)といいます。
ちなみに,少ないエネルギーで電子を取り去ることのできる原子は陽イオンになりやすいので,第1族元素などの陽イオンになりやすい原子のイオン化エネルギーは小さい値です。
② 陽イオンの価数と陰イオンの価数が等しい場合のみ,互いの数も等しくなります(NaCl,ZnSなど)。陽イオンの価数と陰イオンの価数が異なれば,互いの数は異なります(CaCl2,Na2SO4など)。
③ 塩素原子Clは,希ガスのアルゴンArよりも電子1個だけ少ない電子配置をもっています。1個の電子を受け取ることで,安定な電子配置をもつ1価の陰イオンCl-になります。
④ ナトリウム原子Naは,希ガスのネオンNeよりも電子1個だけ多い電子配置をもっています。1個の電子を放出することで,安定な電子配置をもつ1価の陽イオンNa+になります。
⑤ 金属元素は陽イオンになりやすく,非金属元素は陰イオンになりやすい性質をもっています。金属元素と非金属元素の化合物は,陽イオンと陰イオンが静電気力(クーロン力)で引き合って結合しています。この結合のことを,イオン結合といいます。
ちなみに,非金属元素だけでできているアンモニウムイオンNH4+は,イオンとして存在しています。そのため,非金属元素だけでできている塩化アンモニウムNH4Clなどは,例外的にイオン結合でできているイオン結晶です。
スポンサーリンク
問題 | |
---|---|
ワードファイル |