酸化剤－正解・解説｜センター試験演習「化学Ⅰ」【高校化学Net参考書】

問題情報

④　硫化水素の水溶液に二酸化硫黄を通じると，白濁する。

　酸化剤は，別の物質を酸化している物質です。相手の酸化数が増加する代わりに，酸化剤自身の酸化数は減少します（還元される）。

①　２CrO₄^2－　＋　２H^＋　→　Cr₂O₇^2－　＋　H₂O
（または，２K₂CrO₄　＋　H₂SO₄　→　K₂Cr₂O₇　＋　H₂O　＋　K₂SO₄）

K　：　＋1　→　＋1　（変化なし）
Cr　：　＋6　→　＋6　（変化なし）
O　：　－2　→　－2　（変化なし）

　酸化数が変化していないので，酸化還元反応ではありません。

②　２MnO₄^－　＋　５H₂O₂　＋　６H^＋　→　２Mn^2＋　＋　５O₂　＋　８H₂O
（または，２KMnO₄　＋　５H₂O₂　＋　３H₂SO₄
　　　　　　　　　→　２MnSO₄　＋　５O₂　＋　８H₂O　＋　２MnSO₄）

H　：　＋1　→　＋1（変化なし）
O　：　－1　→　0（増加）

　酸素原子の酸化数が増加しているので，過酸化水素は「還元剤」として働いています。

③　Cu^2＋　＋　４NH₃　→　[Cu（NH₃）₄]^2＋
（または，CuSO₄　＋　４NH₃　→　[Cu（NH₃）₄]SO₄）

N　：　－3　→　－3（変化なし）
H　：　＋1　→　＋1（変化なし）

　酸化数が変化していないので，酸化還元反応ではありません。

④　２H₂S　＋　SO₂　→　３S　＋　２H₂O

S　：　＋4　→　0（減少）
O　：　－2　→　－2（変化なし）

　硫黄原子の酸化数が減少しているので，二酸化硫黄は「酸化剤」として働いています。

⑤　２I^－　＋　H₂O₂　＋　２H^＋　→　I₂　＋　２H₂O
（または，２KI　＋　H₂O₂　＋　H₂SO₄　→　I₂　＋　２H₂O　＋　K₂SO₄）

K　：　＋1　→　＋1（変化なし）
I　：　－1　→　0（増加）

　ヨウ素原子の酸化数が増加しているので，ヨウ化カリウムは「還元剤」として働いています。

問題
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