センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,アルコールの解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | アルコール |
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年度 | 2009年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第4問-問3 |
配点 | 4 |
計算問題 | × |
難易度 | 易しい |
正解
② 塩化鉄(Ⅲ)水溶液を加えると,紫色に呈色する。
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解説
① ヨードホルム反応を示すのは,次の構造をもつ物質です。2‐ブタノールはこの構造に当てはまるので,ヨードホルム反応が起こってヨードホルムCHI3の黄色沈澱が生じます。
② 塩化鉄(Ⅲ)水溶液を加えて紫色に呈色するのは,フェノール類です。フェノール類とは,ベンゼン環にヒドロキシ基-OHが直接結合している物質のことです。2‐ブタノールのヒドロキシ基はベンゼン環に結合していませんので,塩化鉄(Ⅲ)水溶液で呈色しません。
③ ヒドロキシ基-OHをもつ物質は単体のナトリウムNaと反応して,水素H2とナトリウムアルコキシドR-ONaを生じます。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
④ アルコールの酸化は,アルコールの分類によって生成物が異なります。アルコールの分類は,ヒドロキシ基-OHが結合している炭素原子(図の赤丸で囲まれたC)がいくつの炭化水素基-Rと結合しているかで決まります。ただし,炭化水素基-RをもたないメタノールCH3OHは,例外的に第一級アルコールに分類されます。
第一級アルコール | 第二級アルコール | 第三級アルコール |
第一級アルコールを酸化すると,まずアルデヒドを生じたあと,さらに酸化されるとカルボン酸になります。
R1-CH2OH → R1-CHO → R1-COOH
第二級アルコールを酸化すると,ケトンを生じます。2‐ブタノールは第二級アルコールなので,酸化するとケトン(エチルメチルケトン)を生じます。
R1-CH(OH)-R2 → R1-CO-R2
第三級アルコールは,酸化されにくいという特徴があります。
⑤ アルコールのヒドロキシ基-OHとカルボン酸のカルボキシル基-COOHから水H2Oが生じ,残った部分が結合してエステルを生じます。
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問題 | |
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