センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,付加反応の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 付加反応 |
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年度 | 2009年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第4問-問4 |
配点 | 4 |
計算問題 | × |
難易度 | 易しい |
正解
⑤
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解説
[ ア ]の化合物は,アセチレンH-C≡C-Hへの水H2Oの付加反応から考えます。H2Oが「H」と「OH」に分かれて,アセチレンの2つのCに結合します。しかし,生成したビニルアルコールCH2=CHOHは不安定なので,すぐに変形してアセトアルデヒドCH3CHOになります。
この段落の話は,読み飛ばして構いません。ビニルアルコールは,二重結合をもつ炭素原子にヒドロキシ基が結合しています。このような構造を「エノール(二重結合を表す「エン」とアルコールを表す「オール」を組み合わせた名称)」といいます。二重結合は電子がたくさん集まっている状態ですが,電気陰性度の大きい酸素原子が電子を強く引き付けています。その結果,炭素原子どうしの二重結合ではなく,酸素原子との二重結合になってしまうのです。もともと酸素原子と結合していた水素原子は,反対側の炭素原子に追い出されてしまいます。
[ イ ]の化合物は,塩素Cl2と付加反応して1,2‐ジクロロエタンCH2Cl-CH2Clを生じることから考えます。選択肢①~③のエタンは単結合のみでできたアルカンなので,付加反応は起こりません。
ちなみに,[ イ ]から[ ア ]への変化は,塩化パラジウムPbCl2と塩化銅(Ⅱ)CuCl2を触媒とするアセトアルデヒドCH3CHOの工業的製法です。
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問題 | |
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