問題情報

単元芳香族化合物の分離
年度2009年度
問題番号化学Ⅰ-第4問-問5
配点3
計算問題×
難易度易しい

正解

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解説

 芳香族化合物は,分子の状態では水に溶けにくくエーテルに溶けます。塩の状態なら水に溶けて,エーテルには溶けにくくなります。

a フェノールC6H5OHは弱い酸で,トルエンC6H5CH3は中性物質です。中性物質を塩にすることは出来ないので,フェノールを塩にすることで分離します。選択肢の中で水酸化ナトリウム水溶液が塩基の水溶液なので,中和反応によりフェノールが塩になります。
   C6H5OH + NaOH → C6H5ONa + H2O

 炭酸水素ナトリウムNaHCO3は弱酸の塩なので,炭酸よりも強い酸に遊離され,その代わりに強い酸は塩になります。つまり,カルボン酸R-COOHなどは炭酸水素ナトリウムと反応して塩になります。しかし,フェノール類は炭酸よりも弱い酸なので,炭酸水素ナトリウムと反応して塩になることが出来ません。
   (反応する)R-COOH + NaHCO3 → R-COONa + H2O + CO2
   (反応しない)C6H5OH + NaHCO3 → C6H5ONa + H2O + CO2

b アニリンC6H5NH2は弱い塩基で,ニトロベンゼンC6H5NO2は中性物質です。中性物質を塩にすることは出来ないので,アニリンを塩にすることで分離します。選択肢の中で希塩酸が酸の水溶液なので,中和反応によりアニリンが塩になります。
   C6H5NH2 + HCl → C6H5NH3Cl

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問題芳香族化合物の分離の問題
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