センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,元素分析の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 元素分析 |
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年度 | 2009年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第4問-問7 |
配点 | 4 |
計算問題 | ○ |
難易度 | 難しい |
正解
② 0.30
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解説
元素分析により有機化合物の組成式を求める問題は頻出です。
まず先に燃焼ガスを塩化カルシウム管に通じて水H2Oを吸収し,次にソーダ石灰管に通じて二酸化炭素CO2を吸収します。それぞれの吸収管の質量増加から,発生した水や二酸化炭素の質量を求めることが出来ます。これらの値から,そこに含まれる水素原子Hと炭素原子Cの物質量〔mol〕を求めることが出来ます。この問題では「炭化水素」を用いていますので,CとHだけでできています。C,Hの物質量の比がわかるので,組成式を示すことが出来ます。
・88mgの二酸化炭素(CO2=44)に含まれる炭素原子(C=12)の物質量〔mmol(ミリモル)〕
88mg ÷ 44mg/mmol × 1 = 2mmol
*1mol=1000mmol(1mmol=10-3mol)
*二酸化炭素分子1個に炭素原子1個なので,1をかけています。
・27mgの水(H2O=18)に含まれる水素原子(H=1.0)の物質量〔mmol〕
27mg ÷ 18mg/mmol × 2 = 3mmol
*水分子1個に水素原子2個なので,2をかけています。
この結果から,CとHの物質量の比は,2:3ということがわかります。
炭素数4の炭化水素なので,水素原子数はその1.5倍の6です。よって,実験に用いた鎖式不飽和炭化水素の分子式はC4H6だとわかります。
次に,水素分子が付加することのできる不飽和結合の数を求めます。不飽和結合は,二重結合や三重結合などのことで,1つの二重結合には1つの水素分子が,1つの三重結合には2つの水素分子が付加します。単結合のみでできているアルカンの一般式はCnH2n+2で,二重結合が1か所増えるごとに水素原子は2つ減少し,三重結合が1か所増えるごとに水素原子は4つ減少します。
炭素数4のアルカンは,C4H10の分子式をもちます。先ほど求めた分子量はC4H6なので,アルカンより水素原子が4つ少なく,二重結合2つまたは三重結合1つをもっています。鎖式不飽和炭化水素1molに対して,水素分子2molが付加することが出来ます。
この鎖式不飽和炭化水素は,分子量C4H6 = 12×4 + 1.0×6 = 54 です。
物質量〔mol〕は,8.1〔g〕 ÷ 54〔g/mol〕 = 0.15〔mol〕です。
鎖式不飽和炭化水素1molに対して,水素分子2molが付加することが出来るので,
0.15〔mol〕 × 2 = 0.30〔mol〕の水素分子が消費されます。
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