センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,酸・塩基と塩の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 酸・塩基,塩 |
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年度 | 2010年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第2問-問2 |
配点 | a‐3,b‐4 |
計算問題 | × |
難易度 | 普通 |
正解
a ④ NH4Cl
b ⑥
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解説
a まず,青色リトマス紙が赤くなったことから,この水溶液が酸性だということがわかります。よって,選択肢の中から酸性の水溶液になるものを選びます。
塩の液性は,元の酸・塩基の強弱によって決まります。酸と塩基の強さに違いがある場合は,強い方の液性になります。
・強酸と弱塩基の塩(HCl+NH3→NH4Clなど)⇒水溶液は酸性
・弱酸と強塩基の塩(CH3COOH+NaOH→CH3COONa+H2O)⇒水溶液は塩基性
弱酸と弱塩基の塩の水溶液は,中性付近になりますが,組合せによって微妙に異なります。センター試験での出題はないと思っていいでしょう。
強酸と強塩基の塩は,さらに分類して考える必要があります。
・酸性塩(H+として電離する酸の水素原子が残っている塩)なら酸性(NaHSO4など)
・塩基性塩(OH-として電離する塩基の水酸化物イオンが残っている塩)なら塩基性(Ca(OH)Clなど)
・正塩なら中性(NaClなど)
① Ca(OH)2 + 2HCl → CaCl2 + 2H2O ⇒ 強酸と強塩基の正塩 ⇒ 中性
② H2SO4 + 2NaOH → Na2SO4 + 2H2O ⇒ 強酸と強塩基の正塩 ⇒ 中性
③ H2CO3 + 2NaOH → Na2CO3 + 2H2O ⇒ 弱酸と強塩基の塩 ⇒ 塩基性
④ HCl + NH3 → NH4Cl ⇒ 強酸と弱塩基の塩 ⇒ 酸性
⑤ HNO3 + KOH → KNO3 + H2O ⇒ 強酸と強塩基の正塩 ⇒ 中性
よって,NH4Clの水溶液で青色リトマス紙が赤色に変色します。
b リトマス紙は,H+やOH-によって色が変わります。リトマス紙の変色した部分が陽極の方へ広がっていることから,負の電荷をもつ陰イオンが移動していることがわかります。よって,[ ウ ]がOH-だと判断することが出来ます。
実験に用いた水溶液がOH-を多く含んでいることから,選択肢より[ イ ]はNaOHです。また,塩基性の水溶液をたらしたときに変色するのは赤色リトマス紙で,青色に変わります。
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