センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,電池の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 電池 |
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年度 | 2010年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第2問-問4 |
配点 | a‐4,b‐3 |
計算問題 | × |
難易度 | 普通 |
正解
a ①
b ③
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解説
a A 電池の基本は,「負極から電子e-が流れ出る」ことです。電子が出ていくためには,反応後にe-が生じる必要があります。2種類の金属のうち,反応後にe-を生じるのは,陽イオンになりやすい方の金属です。
M → Mn+ + ne-
つまり,イオン化傾向のより大きい金属が電池の負極になり,イオン化傾向の小さい金属が正極になります。
B イオン化傾向の大きい金属(負極)は,上記のように単体から陽イオンに変化しています。これは酸化数が増加しているので,酸化反応です。逆に,正極で還元反応が起こっています。
C 電極表面で水素H2が発生する変化は,次のように表されます。
2H+ + 2e- → H2
この反応では電子e-を受け取っているので,正極での変化だということがわかります。
b 鉛蓄電池の基本は,「PbとPbO2の両方がSO42-と反応してPbSO4になる」ことです。あとは,半反応式(電子e-を含むイオン反応式)を完成させることで負極・正極も決まります。
半反応式を完成させる流れは,①酸素原子の数をH2Oで合わせる,②水素原子の数をH+で合わせる,③電気をe-で合わせる,です。
Pb + SO42- → PbSO4
⇒①酸素原子の数は,すでに合っている。
⇒②水素原子の数は,すでに合っている。
⇒③ Pb + SO42- → PbSO4 + 2e-
PbO2 + SO42- → PbSO4
⇒① PbO2 + SO42- → PbSO4 + 2H2O
⇒② PbO2 + SO42- + 4H+ → PbSO4 + 2H2O
⇒③ PbO2 + SO42- + 4H+ + 2e- → PbSO4 + 2H2O
これらの式を,選択肢と照らし合わせることで正解がわかります。
ちなみに,この問題では負極と正極が与えられていますが,半反応式を書くことが出来れば,反応後にe-を生じているPb電極が負極,他方のPbO2電極が正極だとわかります。
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問題 | |
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