問題情報

単元中和滴定
年度2011年度
問題番号化学Ⅰ-第2問-問5
配点a‐3,b‐4
計算問題
難易度普通

正解

a ③ 操作2において,コニカルビーカーの内部に水滴が残っていたので,内部をBで洗ってから用いた。

b ④ 0.825

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解説

a ① ホールピペットの内部に水滴が残っていると,その分だけ水溶液が少なくなってしまいます。

② メスフラスコの内部に水滴が残っていても問題はありません。あとから水を入れて体積を合わせる操作をするので,先に水が入っていても結局は同じことになるからです。

③ コニカルビーカーの内部に水滴が残っていても問題はありません。重要なのは溶質の物質量〔mol〕だからです。極端な話,水が入っていて体積が2倍になっても,濃度が半分になっているので,溶質の物質量は同じです。

 逆に,次に用いる水溶液で洗ってしまうと,溶質が入り込んでしまうので,その物質量が変わってしまいます。

④ ビュレットの内部に水滴が残っていると,濃度のわかっている水溶液の濃度が変化してしまいます。

⑤ ビュレットの先端まで水溶液が入っていないと,コックを開いたときに,まずはその部分に水溶液が入ります。ビュレットの液面は下がっていくのにコニカルビーカーには水溶液が入っていかないので,実際に反応した体積よりも大きな値になってしまいます。そのため,滴定を始める前に,ビュレットの先端まで水溶液を満たす必要があります。

b 中和反応における量的関係は,

「酸から生じるHの物質量〔mol〕=塩基から生じるOHの物質量〔mol〕」

で表すことが出来ます。酸から生じるHの物質量〔mol〕は,

「酸の価数×酸の物質量〔mol〕」

で求めることが出来ます。また,水溶液の場合は,「モル濃度〔mol/L〕×水溶液の体積〔L〕=酸の物質量〔mol〕」となることから,

「酸の価数×モル濃度〔mol/L〕×水溶液の体積〔L〕」

で求めることもできます。塩基から生じるOHの物質量〔mol〕も同様です。ここで,酢酸水溶液Aのモル濃度をc〔mol/L〕とおくと,操作1で10倍希釈しているので,中和滴定に用いた水溶液Cのモル濃度はc/10〔mol/L〕になっています。よって,次の式が成り立ちます。
   1 × c/10 × 0.010L = 1 × 0.110mol/L × 0.00750L

これを解いて,c=0.825mol/Lです。

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問題中和滴定の問題
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