沈殿－正解・解説｜センター試験演習「化学Ⅰ」【高校化学Net参考書】

問題情報

単元	沈殿
年度	2011年度
問題番号	化学Ⅰ－第3問－問6
配点	4
計算問題	×
難易度	普通

正解

①

解説

　沈殿を生じる陽イオンと陰イオンの組合せは，覚えていくしかないと思います。

①　Ca^2＋とCl^－で生じるCaCl₂は，水に溶けやすい塩です。沈殿を生じません。
＊ほとんどの塩化物は水に溶けやすい物質です。AgCl，PbCl₂が水に溶けにくいことを覚えておきましょう。
　Ca^2＋とCO₃^2－で生じるCaCO₃は，水に溶けにくい塩です。白色沈殿を生じます。

②　Fe^3＋とNO₃^－で生じるFe（NO₃）₃は，水に溶けやすい塩です。沈殿を生じません。
＊基本的に，硝酸塩は水に溶けやすいと考えていいでしょう。
　Fe^3＋とSO₄^2－で生じるFe₂（SO₄）₃は，水に溶けやすい塩です。沈殿を生じません。
＊ほとんどの硫酸塩は水に溶けやすい物質です。Ba^2＋，Ca^2＋，Pb^2＋の硫酸塩は水に溶けにくいので，「馬鹿なリュウさん」と覚えておきましょう。

③　Zn^2＋とCl^－で生じるZnCl₂は，水に溶けやすい塩です。沈殿を生じません。
　Zn^2＋とSO₄^2－で生じるZnSO₄は，水に溶けやすい塩です。沈殿を生じません。

④　Ag^＋とOH^－で生じるAg₂Oは，水に溶けにくい塩です。褐色沈殿を生じます。
＊Ag^＋とOH^－の反応では，他の金属イオンと異なり，水酸化物ではなく酸化物が生じます。
　　　２Ag^＋　＋　２OH^－　→　Ag₂O　＋　H₂O
　Ag^＋とCrO₄^2－で生じるAg₂CrO₄は，水に溶けにくい塩です。赤褐色沈殿を生じます。