問題情報

単元幾何異性体,不斉炭素原子
年度2011年度
問題番号化学Ⅰ-第4問-問2
配点4
計算問題×
難易度普通

正解

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解説

幾何異性体が存在する構造ア 幾何異性体(シス‐トランス異性体)が存在するためには,炭素原子間の二重結合があり,右図のR1≠R2とR3≠R4の両方が成り立っている必要があります。選択肢の三重結合に水素H2が付加すると,2つの炭素原子にはそれぞれ水素原子Hが結合します。そのため,三重結合をしている炭素原子が水素原子と結合していると,水素が付加したあとに2つの水素原子と結合することになるので,幾何異性体が存在しません。よって,①と③が選択肢から外れます。

イ 不斉炭素原子は,4つの異なる原子(または原子団)が結合している炭素原子です。水素2分子が付加すると,その炭素原子には2つの水素原子が結合することになります。そのため,三重結合をしている炭素原子とは別のところに不斉炭素原子が存在している必要があります。

 水素原子を2つ以上もっている炭素原子は,不斉炭素原子ではありませんので,それ以外の炭素原子を確認していきます。

② 左から2番目の炭素原子は,水素原子を1つだけもっています。しかし,メチル基-CH3を2つもっているので,不斉炭素原子ではありません。

④ 左から2番目の炭素原子と右から2番目の炭素原子は,水素原子を1つだけもっています。しかし,どちらもメチル基-CH3を2つもっているので,不斉炭素原子ではありません。

⑤ 右から2番目の炭素原子は,水素原子を1つだけもっています。しかし,メチル基-CH3を2つもっているので,不斉炭素原子ではありません。

 左から3番目の炭素原子も,水素原子を1つだけもっています。また,メチル基-CH3,エチル基-C2H5,右側の複雑な原子団というように,すべて異なるものと結合しています。よって,この炭素原子が不斉炭素原子です。

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問題幾何異性体,不斉炭素原子の問題
ワードファイル幾何異性体,不斉炭素原子のワードファイル
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