センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,銀鏡反応,ヨードホルム反応の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 銀鏡反応,ヨードホルム反応 |
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年度 | 2011年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第4問-問3 |
配点 | 4 |
計算問題 | × |
難易度 | 難しい |
正解
①
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解説
エステルに水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱すると,「けん化」という分解反応が起こってカルボン酸のナトリウム塩R-COONaとアルコールR’-OHを生じます。この水溶液を酸性にすると,弱酸であるカルボン酸のナトリウム塩からカルボン酸R-COOHが遊離します。
ヨードホルム反応を示すのは,右図の構造をもつ化合物です。左の構造におけるRがヒドロキシ基である酢酸は,ヨードホルム反応を示しません。つまり,カルボン酸でヨードホルム反応を示すものはないということです。よって,ヨードホルム反応を示すのは,アルコールの方だと判断することが出来ます。
ヨードホルム反応を示さない方の有機化合物,つまり,カルボン酸が銀鏡反応を示します。銀鏡反応を示すカルボン酸は,右図のようにアルデヒド基-CHOをもつギ酸HCOOHです。
①
生じたアルコールはヨードホルム反応を示す右側の構造で,-Rがメチル基-CH3のものです。また,生じたカルボン酸はギ酸です。よって,分解生成物の一方が銀鏡反応を示し,他方がヨードホルム反応を示すのは,①の物質です。
② 分解生成物はギ酸を含んでいますが,ヨードホルム反応を示す物質がありません。
③~⑥ 分解してもギ酸を生じません。
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問題 | |
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