問題情報

単元クメン法
年度2011年度
問題番号化学Ⅰ-第4問-問4
配点4
計算問題×
難易度易しい

正解

スポンサーリンク

解説

 フェノールの製法は幾つかありますが,中でもクメン法は最も重要な工業的製法の一つです。フェノールの製法は,すべてベンゼンC6H6から出発します。クメン法では,プロピレンCH2=CHCH3にベンゼンが付加反応します。プロピレンの二重結合のうち,端にある炭素原子に水素原子-Hが,真ん中にある炭素原子にフェニル基-C6H5が付加します。その結果,生じるのがクメンという物質です。

   ベンゼンのプロピレンへの付加反応

 次に,触媒を用いて,クメンを酸化します。このとき,酸素原子が2つ入ってきます。生成物は「クメンヒドロペルオキシド」という物質ですが,「ペルオキシド」というのは「過酸化」を表しています。過酸化水素H-O-O-Hなどからもわかるように,「過酸化」は酸素原子が2つ入っていることを表しています。

   クメンの酸化

 最後に,クメンヒドロペルオキシドを希硫酸で分解してフェノールを得ます。このとき,残った部分の「真ん中の炭素原子」と「酸素原子」はフリーになった結合手を利用し二重結合をつくります。そのため,副生成物としてアセトンCH3COCH3を生じます。

   クメンヒドロペルオキシドの分解

スポンサーリンク

問題クメン法の問題
ワードファイルクメン法のワードファイル
有機物質ページトップ