センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,第一イオン化エネルギーの解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 第一イオン化エネルギー |
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年度 | 2012年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第1問-問5 |
配点 | 4 |
計算問題 | × |
難易度 | 普通 |
正解
④ Neのイオン化エネルギー(第一イオン化エネルギー)は,周期表の第2周期の元素の中で最も小さい。
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解説
① イオン結晶は,多数のイオンがイオン結合でつながっている固体です。多数のイオンでできているため,具体的な数は決まりません。そのような物質は,それぞれのイオンの数が最も簡単な整数比になるように組成式で表します。組成式で表されるものは,その組成式に合わせて式量を求めます。ヨウ化カリウムKIの式量は,1つのKの原子量と1つのIの原子量の和で求めることが出来ます。
② 硫黄Sは16族元素であり,2個の電子を受け取ることで安定な電子配置になります。よって,硫化物イオンはS2-で表されるイオンになります。よって,硫化物イオンは2価の陰イオンです。
③ 原子番号8の酸素原子Oが電子2個を受け取ると,原子番号10のネオン原子Neと同じ電子配置になります。同様に,原子番号9のフッ素原子Fが電子1個を受け取ると,原子番号10のネオン原子Neと同じ電子配置になります。
④ イオン化エネルギー(第一イオン化エネルギー)は,「原子から1個の電子を取り去って,1価の陽イオンにするために必要なエネルギー」です。プラスの電気をもつ原子核からマイナスの電気をもつ電子を取り去るわけですから,引き合う力に対抗するためエネルギーを使います。つまり,陽イオンになりやすい原子ほど,イオン化エネルギー(第一イオン化エネルギー)は小さくていいということになります。
希ガスであるNeは陽イオンになりにくいので,Neを陽イオンにするためには大きなエネルギーを必要とします。よって,Neのイオン化エネルギー(第一イオン化エネルギー)が,周期表の第2周期の元素の中で最も小さいというのは誤りです。
⑤ ③と同様に考えると,F-はNeと同じ電子配置,Cl-はArと同じ電子配置になります。同族元素の電子配置を比べる場合,外側の電子殻に電子が入っている方が大きくなります。NeとArは希ガスであり,Arの方が外側の電子殻まで電子が配置されています。よって,イオンの大きさを比べると,F-の方がCl-より小さくなります。
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問題 | |
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