センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,鎖式飽和炭化水素の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 鎖式飽和炭化水素 |
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年度 | 2012年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第4問-問1 |
配点 | 3 |
計算問題 | × |
難易度 | 普通 |
正解
① 分子式はCnH2nで表される。
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解説
「鎖式」は,環構造がないということです。「飽和」は,炭素原子間の結合がすべて単結合だということです。「炭化水素」は,CとHだけでできた化合物です。つまり,鎖式飽和炭化水素はアルカンを指しています。
① アルカンの分子式は,すべての基本です。枝分かれのないアルカンを考えると,横一列に並んだn個の炭素原子Cの上に水素原子Hがn個,下にもn個あります。両端の炭素原子は,さらに1個ずつの水素原子が結合しますので,+2個。合計すると,n個の炭素原子に2n+2個の水素原子が結合します。よって,アルカンの一般式は,CnH2n+2です。
この問題は,他の選択肢が多少わかりづらいので,①の段階で確実に解答しておきたいところです。
② 一般に,有機化合物は水に溶けにくい物質です。ヒドロキシ基-OHなどの親水性の官能基があれば,その働きで水に溶けるものもあります。炭化水素はCとHだけでできているので,親水性の官能基を持たず,水に溶けにくいものばかりです。
③ 沸点は,分子どうしが引き合う力で決まります。もちろん,引き合う力が強いほど高い温度でないと分子がバラバラの気体になりませんから,沸点が高くなります。一般に,分子が引き合う力は,分子量が大きいほど強くなります。重い人ほど地球と強く引き合うのと似ています。つまり,分子量が大きくなるほど,沸点が高くなります。
④ アルカンの構造異性体は,炭素数4以上のときに直鎖状のものを含めて2種類が存在します。炭素数5では3種類,炭素数6では5種類,炭素数7では9種類が存在します。炭素数7ぐらいまでは,すべてを書き出せる実力をつけておきましょう。
⑤ 不斉炭素原子は,4つの異なる原子または原子団が結合している炭素原子をいいます。不斉炭素原子を考える1つの炭素原子C*に,炭素数が0,1,2,3である水素原子-H,メチル基-CH3,エチル基-C2H5,プロピル基-C3H7が結合した右図の炭素数7の炭化水素が,最も炭素数の少ないものです。
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問題 | |
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