センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,異性体の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 異性体 |
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年度 | 2012年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第4問-問2 |
配点 | 3 |
計算問題 | × |
難易度 | 易しい |
正解
④ 2‐プロパノールには,光学異性体が存在する。
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解説
有機化学の基本は,物質名と構造式が対応しているということです。基本的な化合物に関しては,すべての構造式を書けるようにしておきましょう。
① フタル酸とテレフタル酸は,2つのカルボキシル基の位置が異なる構造異性体です。
フタル酸 | テレフタル酸 |
② マレイン酸とフマル酸は,二重結合の両端の炭素原子に2つのカルボキシル基が結合している物質です。二重結合が回転できないため2つのカルボキシル基の位置関係が異なる幾何異性体(シス‐トランス異性体)です。
マレイン酸 | フマル酸 |
③ 2‐ブテンには,次の幾何異性体(シス‐トランス異性体)が存在します。
シス‐2‐ブテン | トランス‐2‐ブテン |
④ 2‐プロパノールは,右の構造をもつ物質です。端から2番目の炭素原子には2つのメチル基が結合しているので,不斉炭素原子ではありません。両端の炭素原子には3つの水素原子が結合しているので,不斉炭素原子ではありません。2‐プロパノールには不斉炭素原子がないので,光学異性体は存在しません。
⑤ 乳酸は,右の構造をもつ物質です。中央の炭素原子C*は,水素原子,メチル基,ヒドロキシ基,カルボキシル基の4つの異なる原子または原子団と結合しているので,不斉炭素原子です。不斉炭素原子があるので,光学異性体が存在します。
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問題 | |
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