センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,芳香族化合物の分離の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 芳香族化合物の分離 |
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年度 | 2012年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第4問-問5 |
配点 | 4 |
計算問題 | × |
難易度 | 易しい |
正解
②
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解説
芳香族化合物の分離に関する問題では,「分子は水に溶けない」,「中和して塩になれば水に溶ける」が基本です。
操作1 水溶液Aを加えると,アニリンだけが水層に移動しています。アニリンは右図のようにアミノ基-NH2をもっていますので,塩基性の物質です。よって,水溶液Aは酸性の水溶液(塩酸)だとわかります。
操作2 エーテル層には,サリチル酸とフェノールが残っています。ここに水溶液Cを加えると,サリチル酸だけが水層に移動しています。サリチル酸はカルボキシル基-COOHとフェノール性ヒドロキシ基-OHをもっており,フェノールはフェノール性ヒドロキシ基-OHだけをもっています。
サリチル酸 | フェノール |
カルボン酸とフェノール類を分離するときに用いられるのは,炭酸水素ナトリウムNaHCO3水溶液です。炭酸の酸の強さは,カルボキシル基とフェノール性ヒドロキシ基の間にあります。そのため,炭酸から生じる塩の炭酸水素ナトリウムは,カルボキシル基と反応して塩をつくりますが,フェノール性ヒドロキシ基とは反応しません(フェノール性ヒドロキシ基の塩を遊離する)。よって,水溶液Cは,NaHCO3水溶液です。
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問題 | |
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