センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,ヘスの法則の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | ヘスの法則 |
---|---|
年度 | 2013年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第2問-問2 |
配点 | 3 |
計算問題 | × |
難易度 | 難しい |
正解
① C2H4(気)の燃焼熱,C2H5OH(液)の燃焼熱
スポンサーリンク
解説
反応熱を求めるときは,問題で与えられた反応をすべて熱化学方程式で表して,連立方程式を解く要領で求めます。代入法でも加減法でも構いませんが,最終的には「Q=熱量」のかたちにします。
熱化学方程式は「熱量」のほかに「化学式」も含まれています。連立方程式をQについて解く中で,ある物質の化学式が2か所以上にないと消去することができません。そこで,与えられた熱化学方程式を書き出し,すべての物質の化学式が2か所以上にある選択肢だけが候補として残ります(つまり,全式中に化学式が1か所しかない物質があると,消去できないのでQを求めることができない)。
① すべての物質の化学式が2か所以上にある。
C2H4(気) + H2O(液) = C2H5OH(液) + Q
C2H4(気) + 3O2(気) = 2CO2(気) + 2H2O(液) + Q1
C2H5OH(液) + 3O2(気) = 2CO2(気) + 3H2O(液) + Q2
② CO2(気),C(黒鉛),H2(気)を消去することができない。
C2H4(気) + H2O(液) = C2H5OH(液) + Q
C2H4(気) + 3O2(気) = 2CO2(気) + 2H2O(液) + Q1
2C(黒鉛) + 3H2(気) + O2(気) = C2H5OH(液) + Q3
③ C(黒鉛),H2(気),O2(気)を消去することができない。
C2H4(気) + H2O(液) = C2H5OH(液) + Q
2C(黒鉛) + 2H2(気) = C2H4(気) + Q4
C2H5OH(液) + 3O2(気) = 2CO2(気) + 3H2O(液) + Q2
④ H2O(液),O2(気)を消去することができない。
C2H4(気) + H2O(液) = C2H5OH(液) + Q
2C(黒鉛) + 2H2(気) = C2H4(気) + Q4
2C(黒鉛) + 3H2(気) + O2(気) = C2H5OH(液) + Q3
以上のことから,①以外はQを求めることができません。ちなみに,①でQについて解くと,
Q=Q1-Q2 となります。
スポンサーリンク
問題 | |
---|---|
ワードファイル |