センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,実験器具の扱いの解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 実験器具の扱い |
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年度 | 2013年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第2問-問4 |
配点 | 3 |
計算問題 | × |
難易度 | 易しい |
正解
① メスフラスコ内部を純水で洗浄したのち,試料水溶液で洗って用いる。
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解説
中和滴定の実験に関する問題は頻出です。器具の扱いについてはしっかりと整理しておきましょう。
① メスフラスコは純水で洗浄してそのまま用いる器具なので,試料溶液で洗って用いるというのは誤りです。試料溶液で洗うと,内壁に残った試料溶液に含まれている溶質の分だけ溶質が増えてしまい,計算で求めた値よりも濃度が高くなっています。
② ホールピペットは,決まった濃度の溶液を一定の体積だけはかり取る器具です。濃度が変わってしまわないように,次にはかり取る溶液で洗浄します。例えば,10mLをはかり取るホールピペットを純水で洗浄したまま用いたときに,内部に純水が1mL残っていたとすると,溶液は9mLしか入っていません。このとき,濃度は0.9倍に薄まっています。
③,④ ホールピペットやメスフラスコには標線が記されています。ここまで溶液を満たせば,一定の体積だという目印です。しかし,細い管の中では,液面が平らではありません。水溶液の場合,ガラスに接している部分が高くなり,中央がくぼんでいます。太さにもよりますが,2mm程度の差があります。これらの器具は,くぼんだ液面の底の部分(メニスカス)を標線に合わせたときに一定の体積になるようにつくられています。
⑤ 溶液が均一に混ざる前に使用すると,濃い部分を用いた場合と薄い部分を用いた場合で結果が変わってしまいます。
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問題 | |
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