センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,水酸化ナトリウムの工業的製法の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 水酸化ナトリウムの工業的製法 |
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年度 | 2013年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第2問-問7 |
配点 | 4 |
計算問題 | ○ |
難易度 | 難しい |
正解
② 1.34
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解説
電気量の計算問題は,流れた電気量を2つの方法で表し,それらが等しいという方程式を立てて解きます。
まずは,電流の大きさ(A)と通電時間(秒)から電気量(C)を表します。最終的に求めたい電流の大きさをI(A)とおくと,流れた電気量は次のように表すことができます。
I(A)×3600(秒)=3600I(C)
次に,生成した物質の質量から,量的関係を考えて電子の物質量を求めます。そのあと,電子の物質量とファラデー定数の積で流れた電気量を表します。
陰極では,2.00gの水酸化ナトリウムNaOHが生成しました。水酸化ナトリウムの式量を計算すると,NaOH=23+16+1=40 なので,物質量は2.00g÷40g/mol=0.050molです。
水酸化ナトリウムの生成を化学反応式で表すと,次のようになります。
2H2O + 2e- → H2 + 2OH-
2Na+ + 2OH- → 2NaOH
これらの式から,2molの電子e-が流れると2molの水酸化ナトリウムNaOHが生成するということが分かります。この実験では水酸化ナトリウムが0.050mol生成したので,流れた電子の物質量は0.050molです。
よって,流れた電気量は,9.65×104C/mol × 0.050mol = 4825C です。
2つの方法で表した電気量は,同じ実験の電気量なので,等しいはずです。
3600I(C) = 4825(C) ⇒ I = 1.34
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