センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,14族元素の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 14族元素 |
---|---|
年度 | 2013年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第3問-問2 |
配点 | 3 |
計算問題 | × |
難易度 | 易しい |
正解
⑤ 鉛は,常温で希塩酸に溶けやすい。
スポンサーリンク
解説
① フラーレンC60は炭素原子がサッカーボールのかたちに結合した分子です。
② ダイヤモンドは,炭素原子が正四面体形に無数に結合した結晶です。典型元素は同族元素の性質がよく似ていますが,14族元素である炭素とケイ素も例外ではありません。ケイ素の単体もダイヤモンドと同じ結晶構造をしています。
③ ケイ素の単体は,自然界に存在していません。一方,二酸化ケイ素SiO2は岩石の成分として地殻中に多く含まれています。この二酸化ケイ素にコークスを混合して加熱すると,単体のケイ素が得られます。
SiO2 + 2C → Si + 2CO
ちなみに,②で同族元素の性質はよく似ていると書きましたが,二酸化炭素CO2と二酸化ケイ素SiO2の性質は大きく異なります。二酸化炭素は分子結晶をつくる三原子分子ですが,二酸化ケイ素はすべての原子が共有結合でつながった共有結晶です。
④,⑤ スズSnも鉛Pbも,イオン化傾向が水素より大きい金属です。酸性の水溶液中の水素イオンH+よりも陽イオンになりやすいため,電子を与えて溶けようとします。
Sn + 2H+ → Sn2+ + H2
Pb + 2H+ → Pb2+ + H2
しかし,注意しなければいけない点があります。それは,希塩酸中の塩化物イオンCl-の存在です。Pb2+とCl-からは難溶性の塩である塩化鉛(Ⅱ)PbCl2を生じます。鉛を希塩酸で溶かそうとすると,表面だけが反応して塩化鉛(Ⅱ)になります。表面が塩化鉛(Ⅱ)で覆われると,内部の鉛と希塩酸が接触しないため反応が進まなくなります。同様の理由で,鉛を希硫酸に入れても難溶性の硫酸鉛(Ⅱ)PbSO4で覆われて溶けなくなります。
スポンサーリンク
問題 | |
---|---|
ワードファイル |