センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,中和滴定の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 中和滴定 |
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年度 | 2014年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第2問-問3 |
配点 | a-3,b-3 |
計算問題 | × |
難易度 | 易しい |
正解
a ① 酢酸と水酸化ナトリウム
b ② フェノールフタレインを用いる。
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解説
a この中和滴定では,酸の水溶液のモル濃度は0.10mol/Lです。強酸なら1価でもpHはおよそ1であり,2価以上ならpHはさらに低い値になるはずです。図1より,塩基の水溶液を加える前のpHが3付近なので,強酸ではないことがわかります。選択肢から,この酸は酢酸です。
図1より,塩基の水溶液を十分に加えたときのpHはおよそ13です。この中和滴定では,塩基の水溶液のモル濃度は0.10mol/Lなので,1価の強塩基ならpHは13に近づきます。よって,選択肢から,この塩基は水酸化ナトリウムです。
b 指示薬を選ぶとき,色が変化するpHの範囲(変色域)で判断します。中和滴定曲線で,pHが大きく変化するところ(中和が完了するところ)で色が変わる必要があるからです。
例えば,メチルオレンジの変色域は3.1~4.4です。図1では滴下量が20mLのところでpHが大きく変化しています。その変化の範囲はpH6~11ですので,メチルオレンジの変色域は含まれていません。よって,メチルオレンジは,この中和滴定の指示薬として用いることができません。
この中和滴定においてメチルオレンジを用いると,滴下量が4mLのところで(中和が完了する前に)色が変わってしまうため,中和点を求めることができないのです。
一方,フェノールフタレインの変色域は8.0~9.8なので,pHが大きく変化する範囲に含まれています。よって,フェノールフタレインは,この中和滴定の指示薬として用いることができます。
一般に,メチルオレンジやメチルレッドのような「酸性側に変色域をもつ指示薬」は,弱酸を用いた中和滴定の指示薬としては適していません。
同様に,フェノールフタレインのような「塩基性側に変色域をもつ指示薬」は,弱塩基を用いた中和滴定の指示薬としては適していません。
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