センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,金属イオンの分離の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 金属イオンの分離 |
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年度 | 2014年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第3問-問7 |
配点 | 4 |
計算問題 | × |
難易度 | 普通 |
正解
② 沈殿a Ag+ 沈殿b Cu2+ 沈殿c Fe3+
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解説
金属イオンの候補がありませんので,選択肢から消去法で選ぶことになります。
操作Ⅰ 塩酸を加えているので,Cl-と沈殿をつくる金属イオンを考えます。沈殿aの選択肢であるAg+とPb2+はどちらもCl-と沈殿をつくる金属イオンです。ただし,沈殿bに注目すると,①と③がPb2+になっています。Pb2+が含まれていれば操作Ⅰで沈殿するので,操作Ⅱでは沈殿しないはずです。よって,①と③は誤りです。
操作Ⅱ 前の操作で塩酸を加えているので,酸性となっている水溶液に硫化水素を通じています。イオン化傾向でスズSn以降の金属のイオンが硫化物の沈澱をつくります。Fe3+は,酸性では硫化物の沈澱を生じませんので,⑤は誤りです。
操作Ⅲ 塩基性にしているので,水酸化物イオンOH-と沈殿をつくる金属イオンを考えます。残った選択肢のうち,②Fe3+は沈殿を生じますが,④Ca2+は沈殿を生じません。よって,②が正解だと判断することができます。
ちなみに,Ca2+も濃度によっては塩基性にすると沈殿を生じます。ただし,ろ液にはある程度のCa2+が含まれており,「分離することができた」とは言えないと思われます。
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問題 | ![]() |
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ワードファイル | ![]() |