センター試験の化学の演習問題を紹介しています。このページは,異性体の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学」~
問題情報
年度 | 2015年度 |
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試験 | 本試験-化学 |
問題 | 第4問-問1 |
単元 | 異性体 |
配点 | 4点(各2点) |
計算問題 | × |
難易度 | 難しい |
正解
① 2‐ブタノールには,鏡像異性体(光学異性体)が存在する。
⑤ 分子式C3H8Oで表される化合物には,カルボニル基を含む構造異性体は存在しない。
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解説
① 不斉炭素原子(異なる4つの原子または原子団と単結合している炭素原子)をもつ物質に鏡像異性体(光学異性体)が存在します。2‐ブタノールは次の構造式で表され,左から2番目の炭素原子が不斉炭素原子です。よって,2‐ブタノールには鏡像異性体(光学異性体)が存在します。
② 2‐プロパノールは,下の構造式で表されます。ヒドロキシル基と水素原子が水分子としてとれて,それらと結合していた炭素原子どうしで二重結合を形成します。左右どちらの水素原子がとれても,生じるアルケンは同一です。
③ 幾何異性体(シス‐トランス異性体)が存在するためには,炭素原子間の二重結合があり,左下図のR1≠R2とR3≠R4の両方が成り立っている必要があります。
スチレンの構造は右下図で表され,R1とR2が同じです。よって,スチレンには幾何異性体(シス‐トランス異性体)が存在しません。
④ 分子式が同じで構造の異なる化合物を,互いに異性体といいます。分子式が同じであるということが条件なので,互いに異性体の関係にある化合物には,分子量の異なるものはありません。
⑤ 炭素原子数と水素原子数の関係で,二重結合などの不飽和結合や環構造の有無や総数が判断できます。このとき,酸素原子は影響しません。
CnH2n+2の関係にあるとき,不飽和結合や環構造は存在しません。水素原子が2個減るごとに,二重結合または環構造が1つずつ増えます。三重結合は,二重結合2つ分です。
C3H8OはCnH2n+2の関係なので,二重結合は存在しません。カルボニル基は炭素原子と酸素原子が二重結合している構造なので,カルボニル基を含む構造異性体は存在しないと判断することができます。
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問題 | |
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