センター試験の化学の演習問題を紹介しています。このページは,炭化水素の製法の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学」~
問題情報
年度 | 2016年度 |
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試験 | 本試験-化学 |
問題 | 第4問-問5 |
単元 | 炭化水素の製法 |
配点 | 4点 |
計算問題 | ○ |
難易度 | 普通 |
正解
① 試験管Aで起きた変化 臭素水の色が消えた。
試験管Bでの気体捕集の様子 アセチレンが捕集された。
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解説
この問題では,2つのことを考える必要があります。
1つは,どの気体が発生して,どのような性質をもっているのかです。
炭化カルシウムCaC2と水H2Oの反応では,次の反応式でアセチレンC2H2が発生します。よくある間違いとして,酸化カルシウムCaOが生成する反応式があります。酸化カルシウムは水と反応して水酸化カルシウムを生じます。
CaC2 + 2H2O → C2H2 + Ca(OH)2
もう1つは,量的関係を考える必要があります。
発生したアセチレンは試験管Aの臭素水を通ります。このとき,付加反応がおこり,臭素水の色がうすくなっていきます。アセチレンが反応するため,試験管Bへ気体が進みません。しかし,アセチレンが過剰に発生し,臭素がすべて反応するならば,未反応のアセチレンが試験管Bへと進みます。
C2H2 + 2Br2 → CHBr2CHBr2 より,アセチレンと臭素は1:2の物質量比で反応します。
ふたまた試験管には水0.20molと炭化カルシウム0.01molが入っていたので,上記の反応式より,0.01molのアセチレンが発生します。
試験管Aには0.010mol/Lの臭素水10mLが入っていたので,
0.010mol/L×0.010L=0.00010molの臭素が含まれています。
これらのことから,臭素はすべて反応し,未反応のアセチレンが試験管Bに捕集されます。
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問題 | |
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