問題情報

単元油脂とセッケン
年度2010年度
問題番号化学Ⅰ-第4問-問1
配点3
計算問題×
難易度易しい

正解

③ セッケンを水に溶かすと,その水溶液は弱酸性を示す。

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解説

① 固体は,分子が規則正しく並んだような構造をしています。二重結合があると分子が折れ曲がった構造になり,固体になりにくくなります。そのため,不飽和結合を多くもつ油脂は,常温で液体です。しかし,水素H2を付加させると,二重結合が単結合になるため,固体になりやすくなります。この操作を「硬化」といい,硬化によって生じた油脂を「硬化油」といいます。マーガリンなどが代表例です。

② 油脂は,グリセリンと高級脂肪酸のエステルです。強塩基を加えて熱すると,「けん化」が起こって分解されます。けん化により生じた脂肪酸は,強塩基で中和された塩として存在します。

③ セッケンは,高級脂肪酸ナトリウムです。これは,高級脂肪酸(カルボン酸)と水酸化ナトリウムの塩と考えられます。弱酸と強塩基の塩なので,その水溶液は塩の加水分解により塩基性を示します。

④ セッケンには,親水性部分と疎水性部分の両方があります。疎水性部分が油滴に入ると,反対側の親水性部分で油滴が覆われ,この状態で油滴が水中に分散します。この現象を「乳化」といいます。

セッケン分子と乳化

⑤ セッケンは高級脂肪酸のナトリウム塩で水に溶けますが,カルシウム塩やマグネシウム塩は難溶性の物質で沈殿します。Ca2+やMg2+を多く含む水を硬水といいますが,硬水を使うとセッケンの洗浄力が低下してしまいます。

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問題油脂とセッケンの問題
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