問題情報

単元アルコールの酸化と異性体
年度2011年度
問題番号化学Ⅰ-第4問-問6
配点4
計算問題×
難易度難しい

正解

③ Aの構造異性体のうち,エーテルは2種類ある。

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解説

2‐ブタノール 炭素,水素,酸素のみからなり,炭素原子を4個もつ分子量74の第二級アルコールとして考えられるのは,2‐ブタノールだけです。

 二重結合や環構造があると,水素原子の数が減るため,分子量が小さくなってしまいます。アルコールの構造異性体には1‐ブタノール,2‐メチル‐1‐プロパノール,2‐メチル‐2‐プロパノールが考えられますが,1‐ブタノールと2‐メチル‐1‐プロパノールは第一級アルコール,2‐メチル‐2‐プロパノールは第三級アルコールです。

1‐ブタノール2‐メチル‐1‐プロパノール2‐メチル‐2‐プロパノール
1‐ブタノール2‐メチル‐1‐プロパノール2‐メチル‐2‐プロパノール

① 不斉炭素原子は,結合している4つの原子または原子団がすべて異なっている炭素原子のことをいいます。2‐ブタノールの左から2番目の炭素原子には,「メチル基-CH3」,「水素原子-H」,「ヒドロキシ基-OH」,「エチル基-C2H5」という異なるものが結合しています。よって,この炭素原子は不斉炭素原子です。

② 上記のように,1‐ブタノール,2‐メチル‐1‐プロパノール,2‐メチル‐2‐プロパノールの3種類があります。

③ アルコールとエーテルは,構造異性体の関係にあります。エーテルの構造異性体は,炭素の並びを決めたあと,炭素原子の間に酸素原子を入れていきながら書き出します。エーテルの構造異性体は,次の3種類が存在します。

メチルプロピルエーテルジエチルエーテルイソプロピルメチルエーテル
メチルプロピルエーテルジエチルエーテルイソプロピルメチルエーテル

エチルメチルケトン 2‐ブタノールを酸化して得られるケトンは,エチルメチルケトンです。ケトンとアルデヒドは,構造異性体の関係にあります。アルデヒドは,分子の端にアルデヒド基をもつので,残りの炭素原子の組合せを考えていきます。エチルメチルケトンの構造異性体のうち,アルデヒドは次の2種類が存在します。

ブチルアルデヒドイソブチルアルデヒド
ブチルアルデヒドイソブチルアルデヒド
不斉炭素原子をもつ構造異性体1
不斉炭素原子をもつ構造異性体2

⑤ 不斉炭素原子は,結合している4つの原子または原子団がすべて異なっている炭素原子のことをいいます。炭素原子に,異なる原子や原子団を結合させていきながら考えます。まずは,「水素原子-H」と「メチル基-CH3」を結合させます。その他に「ヒドロキシ基-OH」を結合させると,残りが「ビニル基CH2=CH-」となり,右上図のように不斉炭素原子をつくることができます。また,右下図のような環構造をもつ物質でも不斉炭素原子をもつものが考えられます。

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問題アルコールの酸化と異性体の問題
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