センター試験の化学Ⅰの演習問題を紹介しています。このページは,鉛蓄電池の解説です。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~
問題情報
単元 | 鉛蓄電池 |
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年度 | 2013年度 |
問題番号 | 化学Ⅰ-第2問-問6 |
配点 | 4 |
計算問題 | ○ |
難易度 | 難しい |
正解
④
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解説
2007年度の第2問-問5の類似問題です。
各電極での反応式から質量変化を求めます。まずは,放電時の電極反応式を書き出します。電極の素材は鉛Pbと酸化鉛(Ⅳ)PbO2です。どちらの電極もSO42-と反応してPbSO4へと変化します。
Pb + SO42- → PbSO4 + 2e-
PbO2 + SO42- + 4H+ + 2e- → PbSO4 + 2H2O
充電時は,外部に接続した電源で電子の流れが決まり,放電と逆の反応を起こします。
PbSO4 + 2e- → Pb + SO42-
PbSO4 + 2H2O → PbO2 + SO42- + 4H+ + 2e-
2つの式の両辺を足し合わせて1つにまとめると,次の式になります。
2PbSO4 + 2H2O → Pb + PbO2 + 2SO42- + 4H+
電子e-を消去しましたが,足し合わせる前の式も考慮すると電子e-が2mol流れたときに硫酸イオンSO42-が2mol生成したことを意味します。このとき,電解液中の硫酸イオンの質量は,96g/mol×2mol=192g増加したことになります。
一方,電極Aでは,外部電源の負極(-)から流れ出た電子を受け取っています。よって,充電時の反応のうち, e-が左辺に含まれている式の反応が起こっています。
PbSO4 + 2e- → Pb + SO42-
電極Aは,PbSO4からPbに変化したことになります。電子e-が2mol流れたときに,1molの「SO4」の分だけ質量が減少したことになります。このとき,「SO4」の原子量の総和96から,96g/mol×1mol=96g減少したことになります。
2molの電子e-が流れたときに,電解液中の硫酸イオンの質量は96g増加し,電極Aの質量は96g減少することが分かりました。軸の項目に注意しながら,対応する直線を選んでください。
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