問題情報

単元エタノールの酸化
年度2013年度
問題番号化学Ⅰ-第4問-問6
配点a-3,b-3
計算問題×
難易度易しい

正解

a ⑤ アンモニア水

b ③ 操作3で,フェーリング液と反応した物質は,ホルムアルデヒドである。

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解説

a 小学生でも知っている内容なので逆に戸惑いますが,刺激臭をもつのはアンモニア水です。

b ① 沸騰石を入れるのは,突沸を防ぐためです。エタノールC2H5OHの沸点自体も78℃と低いのですが,反応後に生じるアセトアルデヒドCH3CHOは,水素結合がなくなったために沸点が20℃とさらに低くなり,沸騰しやすくなっています。

② 生成物であるアセトアルデヒドの沸点は20℃です。加熱された状態で試験管Bの方にやってきますので,生成物の一部は,冷えて液体になる前に外部へ出ていってしまいます。それを防ぐために氷冷しています。

③ フェーリング液と反応するのはアルデヒド全般なので,勢いで正しいと思い込んでしまうかもしれません。炭素数2のエタノールC2H5OHから生じるアルデヒドは,同じく炭素数2のアセトアルデヒドCH3CHOです。炭素数1のホルムアルデヒドHCHOは生成していませんので,これが反応したというのは誤りです。

④ 硝酸銀水溶液に少量のアンモニア水を加えると,アンモニア水(塩基性)に含まれる水酸化物イオンOHと反応して酸化銀Ag2Oの褐色沈殿を生じます。AgOHが生成するという化学反応式を書く生徒が多いのですが,実際はさらに分解してAg2Oが生じます。

   2Ag + 2OH → Ag2O + H2O

 さらにアンモニア水を加え続けることで,銀イオンAgがアンモニア分子NH3と配位結合してできた錯イオンとなって溶解します。この状態の水溶液が,アンモニア性硝酸銀水溶液です。

  Ag2O + 4NH3 + H2O → 2[Ag(NH3)2] + 2OH

⑤ アンモニア性硝酸銀水溶液中の銀イオンの酸化数は+1です。ここにアルデヒドを加えると,その還元作用により銀イオンAgが還元されて単体の銀Ag(酸化数0)になります。この銀が試験管の内壁に析出して,銀でできた鏡ができます。この反応を,銀鏡反応と言います。

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問題エタノールの酸化の問題
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