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成分元素の検出

 物質を構成している元素は,その元素に特有の性質を利用することによって確認することができます。つまり,特有の性質が見られればその元素が含まれていることを確認することができ,特有の性質が見られなければその元素は含まれていないことがわかります。

 元素の代表的な確認方法を,次に紹介します。

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炎色反応

 いくつかの金属元素の中には,その化合物の水溶液を白金線につけて燃やすと,それぞれの元素に固有の色の炎が表れます。この反応を炎色反応といい,その色によって構成元素を特定することができます。

 特に,リチウムLi(赤),ナトリウムNa(黄),カリウムK(赤紫)は炎色反応でしか確認できないと思ってください。

リアカー無きK村,動力を借るとするもくれない馬力。
Li赤Na黄K紫(赤紫)Cu緑(青緑)Ca橙赤Sr紅Ba緑(黄緑)

沈殿反応

 塩化ナトリウムNaCl水溶液に硝酸銀AgNO3水溶液を加えると,白く濁ります。

   NaCl + AgNO3 → AgCl + NaNO3

 これは,水に溶けにくい塩化銀AgClという物質の沈澱が生じたためです。このように,水に溶けにくい固体が生じる変化を沈殿反応といいます。

 詳しくはイオン結晶のページで解説しますが,銀イオンAgと塩化物イオンClが反応することで塩化銀AgClの白色沈殿を生じます。このことを利用して,硝酸銀AgNO3水溶液を加えることによって,構成元素として塩素Clが含まれているかどうかの確認をすることができるのです。

  • 銀イオンAgを含む硝酸銀AgNO3水溶液を加えると,白色沈殿を生じた。
    ⇒塩化物イオンCl(塩素Cl)が含まれていた。
  • 銀イオンAgを含む硝酸銀AgNO3水溶液を加えると,白色沈殿を生じなかった。
    ⇒塩化物イオンCl(塩素Cl)が含まれていなかった。

炭素元素Cの確認方法

 石灰水に二酸化炭素CO2を通じると,白く濁ります。このことを利用して,炭素元素Cを確認することができます。

 試料(調べたい物質)を燃やして(酸素O2と反応),発生した気体を石灰水に通じます。このとき,白濁すれば,二酸化炭素CO2の発生が確認できます。

 酸素O2と反応させて二酸化炭素CO2が発生したのですから,元々の試料には少なくとも炭素元素Cが含まれていたことが確認できます。

水素元素Hの確認方法

 同様の考え方で,水素元素Hを確認することもできます。

 硫酸銅(Ⅱ)無水塩CuSO4は,白色の粉末です。これが水H2Oに触れると,青色の硫酸銅(Ⅱ)五水和物CuSO4・5H2Oになります

   CuSO4(白色) + 5H2O → CuSO4・5H2O(青色)

 よって,試料を燃やして(酸素O2と反応),生じた液体を硫酸銅(Ⅱ)無水塩CuSO4に加えます。このとき,青色に変色すれば,水H2Oの生成が確認できます。

 酸素O2と反応させて水H2Oが生じたのですから,元々の試料には少なくとも水素元素Hが含まれていたことが確認できます。

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