高校化学Net参考書「化学基礎」化学結合と結晶 > 結晶の分類

結晶の分類

 結晶の種類としては,大きく4つ(イオン結晶、金属結晶、分子結晶、共有結合の結晶)に分類することができます。ここでは,いろんな観点から結晶の特徴を比較していきます。

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構成元素

 結晶を構成している元素の分類です。結晶の種類を判断するために必要な内容です。

イオン結晶金属元素と非金属元素(アンモニウムイオンNH4などを含む場合は,非金属元素のみでもイオン結晶)
金属結晶金属元素のみ
分子結晶非金属元素のみ(共有結合の結晶を除いて考える
共有結合の結晶非金属元素のみ(14族が中心,少ないので覚えよう

構成粒子

 結晶を構成している粒子を確認します。

イオン結晶陽イオンと陰イオン
金属結晶原子(陽イオンと考える場合もある)と自由電子
分子結晶分子
共有結合の結晶原子

結合の種類

 構成粒子どうしの結びつきを比較します。結合の強い順:共有結合>イオン結合>金属結合>水素結合>極性による静電気的な引力>ファンデルワールス力

イオン結晶イオン結合
金属結晶金属結合
分子結晶分子内は共有結合
分子間は分子間力(ファンデルワールス力や水素結合,極性による静電気的な引力)
共有結合の結晶共有結合

化学式

 構成原子の数が決まっている分子からなる分子結晶だけは「分子式」で表します。構成原子の数が決まっていない結晶は,組成式(最も簡単な整数比を用いる)で表します。

イオン結晶組成式
金属結晶組成式
分子結晶分子式
共有結合の結晶組成式

融点

 結合が強いほど,結合を切断して液体にするために高い温度が必要です。

イオン結晶かなり高い
金属結晶典型金属:低い(アルカリ金属など)~高い
遷移金属:かなり高い
分子結晶低い(昇華するものがある
共有結合の結晶非常に高い

機械的性質

 結晶を叩いたときのようすを比較します。

イオン結晶硬い
たたくと割れる
金属結晶展性・延性がある(水銀は液体なので例外)
分子結晶軟らかい
もろい
共有結合の結晶極めて硬い

導電性

 電気の導きやすさの比較です。

イオン結晶固体は電気を導かない
融解して液体になったものや水溶液は導く
金属結晶よく導く
分子結晶導かない
共有結合の結晶導かない
黒鉛Cは例外でよく導く
ケイ素Siはわずかに導く(半導体)

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共有結合の結晶(共有結晶)ページトップ物質量と化学反応式