「塩の分類」のページです。
高校化学Net参考書 ~化学基礎~
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塩の元の酸・塩基を調べる
酸と塩基が中和反応することによって塩が生じます。逆に,塩の組成式から,どのような酸と塩基が反応してできたものなのかを調べることができます。
塩はイオン結晶ですので,陽イオンと陰イオンからできています。イオンが暗記できているなら,どのようなイオンでできているのかを見極めることができるはずです。覚えられていない人は,イオン式のページを確認してください。
例えば,塩化ナトリウムNaClはナトリウムイオンNa+と塩化物イオンCl-からできていますし,酢酸カルシウムCa(CH3COO)2はカルシウムイオンCa2+と酢酸イオンCH3COO-からできています。
これらのイオンのうち,陰イオンに対して,陽イオンである水素イオンH+を戻してやることで元の酸がわかります。Cl-に対してH+を戻すと塩化水素HClですし,CH3COO-に対してH+を戻すと酢酸CH3COOHです。
一方,陽イオンに対して,陰イオンである水酸化物イオンOH-を戻してやることで元の塩基がわかります。Na+に対してOH-を戻すと水酸化ナトリウムNaOHですし,Ca2+に対してOH-を戻すと水酸化カルシウムCa(OH)2です。
元の酸・塩基がわかるように,塩化ナトリウムを「塩酸と水酸化ナトリウムの塩」,酢酸カルシウムを「酢酸と水酸化カルシウムの塩」というような表現をすることがあります。
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酸性塩・塩基性塩・正塩
2価以上の酸は,段階的に水素イオンH+を放出します。例えば,2価の酸である硫酸H2SO4は次のように2段階で電離します。
H2SO4 → H+ + HSO4- → 2H+ + SO42-
途中の段階でもイオンとして存在しているので,塩をつくることができます。
硫酸水素イオンHSO4-とナトリウムイオンNa+からなる塩は,硫酸水素ナトリウムNaHSO4です。この塩は,さらにH+を放出することができるHをもっています。このような塩を,酸性塩といいます。
同様に,2価以上の塩基も段階的に電離し,途中の状態でもイオンをつくることができます。水酸化マグネシウムMg(OH)2のOHが残っている塩化水酸化マグネシウムMgCl(OH)のような塩を,塩基性塩といいます。
水素イオンH+や水酸化物イオンOH-として電離するHやOHが残っていない塩を正塩といいます。酢酸ナトリウムCH3COONaには水素原子や酸素原子が含まれていますが,ここからH+やOH-が生じることはありません。よって,酢酸ナトリウムは酸性塩や塩基性塩ではなく,正塩です。
塩の元の酸を考えたときに,1価の酸から酸性塩を生じることはありません。同様に,1価の塩基から塩基性塩を生じることはありません。
注意したいのが,酸性塩の水溶液は酸性というわけではないということです。同様に塩基性塩の水溶液は塩基性とは限りません。正塩の水溶液も中性ではないことが多くあります。
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