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元素の原子量
炭素原子には,12Cの他にも13C,14Cなどの同位体が存在しています。もちろん,それぞれの相対質量は異なります。しかし,実験をするときに同位体を分離することはできません。実験準備やデータ処理などで計算するときに,どのような値を使えばいいのでしょうか。
正解は,「平均値を用いる」です。ただし,すべての同位体が同じ割合で存在しているわけではありませんので,天然存在比を考慮した平均値を用います。
例えば,塩素原子には35Cl(相対質量35.0)と37Cl(相対質量37.0)があり,それぞれの天然存在比が75.0%,25.0%だとします。これは,塩素原子が100個あれば,35Clが75個,37Clが25個あるということです。その平均値は,次のように求めることができます。
この例では計算しやすい値を用いているので,計算の流れが変だと感じるかもしれません。しかし,複雑な数値で計算をすることになった場合,最初に大きい方の相対質量である37.0を(35.0+2.0)に分けて考えるのがポイントになります。小さい方の相対質量である35.0+αとすることで,その項の分母と分子に同じ値が出てきて計算が楽になるのです。
実際には,塩素原子が100個あれば,相対質量35.0の塩素原子が75個,相対質量37.0の塩素原子が25個あります。しかし,実際の実験のように多数の塩素原子を扱う場合は,相対質量が35.5の塩素原子が100個あると考えて計算することができます。
ここでの35.5のような「天然存在比を考慮した相対質量の平均値」を元素の原子量といいます。原子量は相対質量の一種なので,単位はつきません。
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代表的な元素の原子量
代表的な元素の原子量を求めると,次のようになります。
元素 | 原子 | 相対質量 | 天然存在比〔%〕 | 原子量 |
---|---|---|---|---|
水素 | 1H | 1.0078 | 99.9885 | 1.008 |
2H | 2.0141 | 0.0115 | ||
炭素 | 12C | 12 | 98.93 | 12.01 |
13C | 13.003 | 1.07 | ||
窒素 | 14N | 14.003 | 99.636 | 14.00 |
15N | 15.000 | 0.364 | ||
酸素 | 16O | 15.995 | 99.757 | 16.00 |
17O | 16.999 | 0.038 | ||
18O | 17.999 | 0.205 | ||
ナトリウム | 23Na | 22.990 | 100 | 22.99 |
アルミニウム | 27Al | 26.982 | 100 | 26.98 |
塩素 | 35Cl | 34.969 | 75.76 | 35.45 |
37Cl | 36.966 | 24.24 | ||
アルゴン | 36Ar | 35.968 | 0.3365 | 39.95 |
38Ar | 37.963 | 0.0632 | ||
40Ar | 39.962 | 99.6003 | ||
カリウム | 39K | 38.964 | 93.2581 | 39.10 |
40K | 39.964 | 0.0117 | ||
41K | 40.962 | 6.7302 |
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